犬猫に続く第三のコンパニオンアニマルとして世界中で愛されている存在のフェレット。人懐っこい性格のうえ、大きな声で鳴かない、大きくなりすぎないなどの理由から、集合住宅の多い日本でも飼いやすいペットとして近年注目を浴びている動物です。
一般的には「フェレット」とひとくくりに呼ばれますが、生まれたファーム(繁殖場)によって違った特徴を持っており、ブランド名を冠して分類されています。
今回はその中でも日本での飼育頭数が一番多いといわれている「マーシャルフェレット」について詳しくご紹介!毛色のバリエーションについても併せて解説しますので、これを読めばマーシャルフェレットについてより深く知ることができますよ!
目次
マーシャルフェレットとは?

「マーシャルフェレット」とはその名の通り、アメリカのニューヨークにあるマーシャルファームにて繁殖されたフェレットの総称。日本に最初にペットとして本格的に輸入され始めたのがこのマーシャルフェレットと言われており、現在もペットショップで販売されている頭数が一番多いフェレットです。
マーシャルフェレットの特徴
見た目
マーシャルフェレットの平均体重は、オスで1~1.3㎏、メスで0.7~1㎏とフェレットの中では比較的小さくて細めなサイズ。顔のサイズも小さめで鼻筋が通った端正な顔立ちをしている子が多い印象です。
性格
ベビー時代からストレスを感じさせないよう配慮された環境で育てられたマーシャルフェレットたちは、噛みぐせの無い穏やかな性格の個体が多いのも魅力のひとつ。フェレットの飼育に挑戦したいと考えている初心者の人にもおすすめです。
右耳に二つの入れ墨

マーシャルフェレットである証のひとつとして、右耳に入れられた二つの点状の入れ墨があります。これらは、避妊・去勢手術を行った時と臭腺除去手術を行った時、それぞれのタイミングで入れ墨を入れられているため、二つの点があるということです。
まれに足の裏にも入れ墨が入っている個体もいるようですが、これはちゃんと入れ墨が入るかどうかの“試し打ち”で入れられているとのこと。
もしお迎えしたマーシャルフェレットの足に入れ墨があっても、傷などではないので心配は無用です。
マイクロチップが埋め込まれている
マーシャルフェレットのもう一つの特徴として、首元にマイクロチップが埋め込まれている点です。「何のために埋め込まれているの?!」と驚く人もいるかもしれませんが、実はこのマイクロチップには購入時は何も情報が入っていません。
マイクロチップを取り扱っている動物病院でお願いすると、フェレットのマイクロチップに飼い主情報を登録してもらえます。
事前に登録しておけば、万が一脱走などをして迷子になってしまった時に、すぐに飼い主が誰なのかがマイクロチップを通じて確認ができるので安心です。
飼い主登録は義務ではないので、飼い主自身で選択して行う形にはなりますが、脱走や迷子について心配がある人はぜひマイクロチップを活用するのをおすすめします。
どんな毛色がいるの?

お店で販売されているフェレットには、どのファーム出身なのかを表すブランド名とは別に毛色(カラー)についても表記がされています。この毛色の名称については、ファームや販売店によって名付けられているため、実ははっきりとした定義はありません。
そのため同じ毛色をしているフェレットでも、出身ファームによってカラー名が違ったりすることもあるのです。
今回はマーシャルフェレットについての毛色の紹介をしていきますので、ぜひお迎えを考えている人は参考にしてみてくださいね!
実は奥が深い!カラーの識別方法
実はフェレットの被毛は、保温・断熱効果のある短い毛“アンダーコート”と汚れをはじく機能をもつ長く太い毛“ガードヘア”の2種類で構成されており、それぞれの色の組み合わせで毛色が表現されています。
フェレットのアンダーコートは白~クリーム色の明るい色がほとんど。そのため、ガードヘアの色によって色味が大きく変わってくることになります。
さらには毛色だけでなく瞳の色と鼻の色も識別基準の対象に。例えば、毛色が白色単色の子でも目の色が赤ければ“アルビノ”、黒ならば“ダークアイド・ホワイト”とカラー名称が変わります。このような複雑な方式で、マーシャルフェレットは全8種類のカラーに識別されているのです。
マーシャルフェレットのカラーの一例
- アルビノ…ガードヘア、アンダーコート共に白orクリーム色、瞳はピンクor赤色、鼻はピンク色
- シナモン…ガードヘアは明るい赤褐色、アンダーコートは白orゴールドを帯びた白、瞳は規定なし、鼻はレンガorベージュorピンク色でライトブラウンorレンガ色のT字模様
- セーブル…ガードヘアは温かみのあるディープブラウン、アンダーコートは白orクリーム色orライトゴールド、鼻はブラウン~黒色、鼻はライトブラウンでブラウンのT字模様があるor斑点のあるブラウンまたはピンク色
- ブラック…ガードヘアは漆黒、アンダーコートは白、瞳は黒、鼻は黒or黒に近い色、または黒い斑点
カラーに加えて模様にも注目!
マーシャルフェレットは毛色だけではなく、色が出ている範囲を模様としてパターン化して識別しています。それが以下の9種類。
(ミット、ブレイズ、パンダ、マット、ポイント、ローン、ソリッド、スタンダード、ストライブ)
被毛の色は白以外で手足と首の下部分のみが白色の“ミット”、顔から肩にかけてライン状に長く白い模様が入っている“ブレイズ”、頭部は白色で肩と腰の部分に濃い色が入り混じる“パンダ”などが日本ではよく見られる人気の模様です。
「セーブルミット」「セーブルポイント」といったように、お店ではカラー名とくっつけて呼ばれていることも多いので、好みの子を見つけるときの参考にしてみるといいでしょう。
毛色についての注意点
これまでカラーと模様について詳しくお話してきましたが、実はフェレットは成長に伴い色柄が変化することがある動物。換毛期のタイミングで模様が変わることも多く、換毛前は「ブレイズ」だった子が換毛を終えると「ミット」になっていた…なんてこともあります。
そのため「この色柄の子が良い!」と選んだ場合、成長と共に変わってくる可能性があることも念頭に置きつつお迎えしてあげましょう。
さらには、白っぽい色合いのフェレットには遺伝性の難聴を患っている割合が多いという報告もあり注意が必要。難聴があっても飼育には大きな問題はありませんが、白いフェレットを購入する際に店員さんに耳の聞こえ具合を事前に確認しておけば、より安心してお迎えができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は日本で一番流通しているマーシャルフェレットについて詳しく解説をしてきましたが、フェレットの世界は意外と奥が深いと驚いたかもしれませんね!
カラーや模様などに詳しくなると、あの色も良い、あの模様も気になる…といろいろなフェレットたちをお迎えしたくなってしまった人も居るのではないでしょうか。
そんなときは、まずは実際にお店を訪れて本物のマーシャルフェレットとふれあってみるのが一番!カラーや模様も良いですが、性格やフィーリングでお迎えする子を選ぶのも素敵ですよ。
ぜひお気に入りのマーシャルフェレットと一緒に楽しいフェレットライフを満喫してくださいね!











